囚人のジレンマ

ちょっと前にHotwiredで出てたけども,ゲーム理論のおける有名な問題”囚人のジレンマ”に関するコンテストで,これまで最高の結果を残していた戦略を上回る戦略が出たとか.典型的な囚人のジレンマ問題は,2通りの戦略を実行可能な2人のプレイヤーが居て,お互いに協調すれば,協調しないときよりは嬉しい結果が得られるけれども,それよりも自分だけ協調せずに裏切っちゃえば,一番嬉しくなる(裏切られた方が最悪の結果になる).ただし,それを2人が同時にやると(つまり2人とも裏切ろうとすると),自分が裏切られる時よりは多少ましだけど,協調する時と比べると断然悪い結果になっちゃう,さぁどうしよう,ってやつ.
この問題を繰り返しやって,どれだけいい結果が得られますかね?っていうコンテストがむかーしあって,その結果,「裏切られたら次は裏切り返す.けど裏切られないうちは協調的な戦略を取り続ける」っていう戦略が一番良いよね?ってことになったんだけれども,今回開かれたコンテストではそれを上回る戦略が登場.wiredの記事によれば,同じ大学のチームのプレイヤー同士が自動的に主従関係を構築して,主が勝つように従は自分を犠牲にするとか.要するに「いけにえ戦略」ですね.記事からリンクしてある結果を見てみると,下位の方に犠牲になった屍が累々と....世の中のある一面を如実に表していて,なんか複雑な気分が...
このJennings教授,マルチエージェント関連の研究をやっておられる人ですが,応用研究を進める一方,こういう基礎的な研究もこつこつとやってるんですね.